昼食を取れなかった私は、食材の買い置きがない事に気づき生駒の近鉄百貨店へ電車で向かった。食材と日常雑貨の買い物をすべく百貨店に入ったが日曜日のせいか家族連れが多く振るわっていた。
一階の食用品売り場に、お気に入りの小さなサツマイモを散りばめた食パンを切らしていたので、売れてしまっていたら困るなと思いつつ買うことが出来たので遅めの昼食を取ろうと思い、三階の喫茶ルームに向かった。昼食時だが、人影は少なく窓ガラスの大きくはめられている窓際の席に腰を下ろした。3歳児と5歳児ぐらいだろうか、子ども二人に若い夫婦が後ろ姿をみせて座っていた。
ウエイトレスさんにサンドウイッチを注文すると、前席に座っているワンピースを着た可愛らしい女の子、女の子の頭越しに男の子もお顔を見せてくれはじめました。
二人ともなにか言葉を交わしているようですが、言葉は聞こえません。私は子どもたち様子が気になり、思い切って先に買い求めたサツマイモデニッシュブレッド三枚入りを手に持ち女の子の処に伺いました。
「お母様、お子さんが、私を気になるようですね。私は長らく保育園の園長をさせていただいてきたのです。今年の3月末で終わりましたが子どもさんには、何か感じることがあるのかな? このパンは私が大好きなのでお嬢さんにあげたくて持ってきました。お兄ちゃんと分けてくださいね、私をみつけてくださったお礼です」
背の高い父親と母親の優しく綺麗な印象に残る素敵な若いご夫婦はとても恐縮されていますが、私お兄ちゃんの姿に感心しました。とてもお行儀がよくて落ち着いています。家族の穏やかで柔らかな雰囲気が日々の生活の過ぎ越しが偲ばれます。私は自分の席に戻り間もなくお父様が「落ちついてお食事をしていただけるようにそろそろ帰ります」
お気遣いの言葉に、青年の父親として家族の中心をしっかりなされているように感じられて胸がきゅっと締め付けられました。私は、思わず男の子に言いました「おとなになったら立派な人になってくださいね」「はいっ!」って元気よく私の眼を真っすぐに見て言ってくれました。背の高いお父様に抱かれた女の子も何度も振り返り私をジーっと見つめてくれました。
静かな優しいご挨拶をしてお別れをしましたが、私の長い社会福祉事業の終わりが来たのだと漸く自覚が私の心身から納得できたのだと。漸く私の心身から納得できたのは、出会った家族の暖かな愛に包まれたからでしょうか。
でも、この日は最後まで私は幸せな時と言葉を頂いたのです。
帰宅するために生駒駅の改札口を抜けて2階のエレベーターの前にたつと一人の女性が乗り込み三台のベビーカーが並びます。ところが、もう一台父親が押してきました。急いでいるようなので私は、遠慮してもう一台の計4台のベビーカーをエレベーターに乗せました。最後の父親は、丁寧なお礼を言ってエレベーターに乗り込みました。
その時、私に一人の女性が私に「優しい人ですね!優しいオーラいっぱい!」と大声で叫ばれたのです。
最後のエレベーターに私と外国人の子どもを抱っこされた家族と最後に来られて乗られた方ですが、エレベーターが静かに止まりました静かに扉のスイッチを押してくださったのは最後の女性です。皆が下りるのを静かに待っていてくださったのです。
私はお礼を言いたかったのですが、彼女の後姿は遠くになりました。
この日の美しい経験は私には宝物になり忘れられない思い出になりました。
※S子様へ、この日の優しい出来事を書かせていただきました。皆さんに知って頂きたく書きましたが、恐らくあなたはまた吐き捨てるようにナセバーナル社にかかせて夢の祭り社(吉田公恵所有)に投稿しているのだと言うのでしょうか。
絵画と写真撮影と選択、文書は私の経験から書いており全てオリジナルの自筆です。それをナセバーナル社に送り校正のうえ「夢の祭り社」に投稿していただいております。



