サイズ 22.0 × 27.0
作者 Kimie Yoshida
水彩画
若い父親の大きく真っ白なタオル
近鉄生駒での用は思いの外、早く終わったのでスケジュールの変更を考えた。
ひとまず昼食を近鉄上本町百貨店12階の「つきひ亭」にて済ませて永和図書館で北朝鮮に拉致された経験のある蓮池透氏の「再び半島へ」の続きを読むために時間を使おうと考えた。
近鉄生駒駅から急行に乗り上本町に直行したが、日曜日なのに人出は多くなく電車も混んでいない。corona禍だが、4回目のワクチン接種を受けているせいか、日曜日に出かける私の気持ちに余裕がある。
「つきひ亭」につくと一望を見渡せるカウンター席に案内された。
子どもの頃、母は父と揉めた日は寂しいのか、腹立ちを抑える為なのか、私をよそ行きの洋服に着替えさせて近鉄百貨店12階のレストランに連れられてきた思い出が蘇る。
当時、百貨店12階のレストランは高級感のある雰囲気を漂わせていた。
今は、大きく切り取られた窓際には、木で拵えられたカウンター席が並び上本町の殺風景なビル街が見渡せる。
ご飯の上に甘さのある味付けのローストビーフが乗っかって、鮮やかなグリーンのアボガドをにぐるりと切り込みを入れてその上には新鮮な生卵がどろりと取り巻く。
付け合わせはサラダを敷いた上にコロッケが二つ並ぶ。デザートは小さな栗のケーキに赤ブドウジュースのセットで2,160円を支払う。昼食にこの勘定を支払う日は夜の食事を抜くかあり合わせで簡単に済ます。
最近では私を覚えてくれるようになったウエートレスさんは「またおいでくださいね」と暖かい言葉かけをしてくれる。
電車に乗る前に近鉄上本町駅のトイレに入るのが決まりだ。
私は、このトイレが安心なのは掃除が行き届き清潔感があるからだ。
お掃除してくれる清掃員に出会うこともある。私は、必ず掃除される方にお礼を言うことも忘れない。
ところが、今日は思いがけなく赤いお洋服を着た瞳がくるりと大きな4歳ぐらいの可愛い女の子と出会った。 周りを見ると母親らしい姿は見えない。「一人でお手洗い大丈夫?」と聞くと「だいじょうぶ」と言うが気になって待つことにした。
待っていたが遅いので心配になり、ノックをすると女の子はタイミング良く出てきた。
女の子は、洗面所の前に立ち水道の栓をひねり指のひとつひとつを丁寧に洗い、石鹸の出るほうも押して洗い終わり、おせっかいおばさんが、ハンカチを出すと「お父さんがあっちで待っているの」と手の水しぶきを振りながら駆けていく。
白いシャツにベージュのパンツをはいた若い父親が真っ白な大きなタオルを広げて待っていた。
女性用のトイレに入れない若い父親の幼い娘への愛情としつけの行き届いた子育てを垣間見たようで胸が熱くなった。
父と子を見送る私を父親は見向きもしなかったが、女の子は何度も振り返りながら私を見つめ近鉄西大寺行き乗り場方面のエスカレータを降りていく赤と紅のまじりあった落ち着いたあかの洋服を着せた若い親のセンスとしっかり者の女の子と出会えた今日は素敵な一日になった。
2022年10月8日 吉田公恵
習作
白百合のごとく
象さんと散歩 タイ国旅行
マンドリン
オタ・ベンガルさんへ
Cafe Bar 神並(こうなみ)Live
神並GIGL弾き語り 昭和歌謡 2022年7月3日
高い天井はよしず張りを一面に貼り巡らし古民家?を改造したらしく音響設備もあり天井から吊り下げられた大きな扇風機がまわる。
壁は太い白と赤の棒線柄の布が貼られカウンターを挟み壁の棚には様々な形の酒瓶類が並べられている。
畳敷きの座敷は二聞に区切られ二台の卓椴台がおかれている。出演者のギター数本がケースに収められて大切なお客様のように立てかけられ出番を待つ。人の息づく狭い空間に男性たちと紅一点の女性、出番を待ちながら出演者の弾き語りに耳を傾ける。
演目が終わるとお決まりの掛け声をかけるのは仲間内の暖かさ。
遠くから集まって来た5組の新memberはそれぞれに個性的です。
トップにご出演の「こうてん」さんは地元石切を盛り上げようとCafe Bar神並に「こうてん」さん自前の音響機材を持ち込み第一日曜日に店を借りきって開催されている。こうてんさんは“定年後は保育士になる”夢を持ち在職中から勉強してみごと“オヤジ保育士”になられたスゴイ行動力のある人です。ちなみに実技はピアノを弾けないのでギターで合格したそうです。人間味のある暖かな方で皆さんに気配りされる姿は立派なまとめ役ですね。
「しょうじゅん」さん「現在、ダイエット中です」と言われ新たな弾き語りのできる場所を紹介された。今日は大きな声で歌うと言われたように、響き渡る声に迫力がある。
「Juke」さん女性のように高音が綺麗でセンテンスが短いのでとても分かりやすく楽しく響く。掻き鳴らすギターのテンポの速さと力強さ、子どものように愉しそうな表情に歌の区切りに左足をポーンと挙げるポーズ。ピンクレディの「ベツパ一警部」を唄いピンクレデイがTVにでると”TVの下からのぞいた・・・と。
彼は今、プロとして確立されているのかな?と思わされた。
「Nao & Macky」さん、韓国のフォークメロデイーで帆船が青い空と海で走る姿を男性の乾いた声と女性の柔らかな声が重なり男性と女性が織りなすハーモニーの広がりは聴く者にドラマチックに訴える。お二人と出会った縁で弾き語りの魅力に嵌まり彼らの追っかけになった私は、お二人に「探しているものは何ですか」井上陽水の楽曲にあったフレーズを思い起こさせ問う。
「ULIVOSSA」さんは賛肉のない躰、長い脚に赤いパンツが映えて穏やかなお顔に優しさが滲む。「洋服はもう一つの人格だよ」と教えてくれた京大出身臨床心理士A氏の言葉を思い出す。Bossa nova主旋律は軽さと突き放すような?モダンな雰囲気が漂う。歌い手はフランスの気障な男の象徴ではない。お酒落な伊達男?表現力を最も必要とする分野ですね。
「優(マサル)」さんは、堂々とした体躯に声の質は他者にはない恵まれたいい声をお持ちだ。羨ましい。大きな舞台でタキシードを身に付けてイタリァ歌曲を唄う姿を想像するだけでも・・・・。いつもはukurereを弾いていますが、この日はギターです。なんとギターを始めて数か月でこの腕前!!
「ジャック葛城」さん、世良公則 & ツイストのカバーをされている。
「DanDom」さんカラオケのDAMから命名。ギターで800曲伴奏してくれる人間カラオケです。
新川きよしさん、弾き話りを始めてまだ日が浅いそうですが、昭和歌謡を幅広くカバーされています。
夢多き壮年たちは夜空に幾重にも燦然と輝く音楽性と物語性の溶け合った「大人の童話」を紡ぎ、継ぐ素敵な旅を続けるでしょう。
なんと素敵な旅人たち! !
予告
- 8月7日 ジャンルフリー Nao & Macky 出演予定
- 9月4日 替え歌特選
- 10月2日 スタンダップパフオーマン
柔らかな厳しさに(Blog)
ライブに行ってきました。
弾き語りLive Bar MK2二度目の訪問です。
出演される皆さんは職業を持ち歌、唄が大好きなユニークな方々。
それぞれ得意な分野の歌を唄われますが、最後はご自身の作詞作曲の歌、過ぎし日の人生から滲む歌詞、思いが籠ります。
でも今日は残念ながら途中で退席することになりました。
スマホの調子が悪くソフトバンクショップに行く予定の時間になり生活の中でスマホの存在は年々高まり調子が悪いと体調も悪くなる私の昨今です。
男性青年たちが働くソフトバンクショップは軽快な空気が流れ店内の白色照明の青年たちの柔らかな(明るさ)接客マナー、客の声が同等に響く。
ライブで感じた空気とショップで働く若者たちのビジネスに立ち向かう空気感。
ウクライナとロシヤの戦いを身近な足音に、複雑な思いにとらわれた一日でした。
